帝京大学

健康に働ける企業、そして社会をつくる原動力になる

近年労働現場では、雇用形態の変化、海外勤務の増加、多国籍労働者問題やメンタルヘルス問題といった新たな課題が増加しています。しかしながら、課題の解決に取り組む、専門性を持った産業医や高度な産業保健師は不足しています。このような人材の需要にこたえるため、特に出産・育児期間を経た女性医師や産業保健師の再教育の充実が求められています。
本事業は、女性医師や女性産業保健師・衛生管理者が産業現場の問題に高度なレベルで取り組むための「能力のリフレッシュとキャリアアップ」に力点を置き、社会人を対象とした学習プログラムを提供することで、産業保健分野の高度な人材の育成を目的としています。
産業界と共同した実践的なカリキュラムに加え、ハーバード大学やケンブリッジ大学等と提携した特別講義を通して、産業保健分野の国際的な最新の動向について触れながら現場で通用する力を磨いていきます。


メッセージ

「帝京大学産業保健高度専門職養成の大学院プログラム」は,平成26年に文部科学省が公募した「高度人材養成のための社会人学び直し大学院プログラム事業」に採択された履修証明プログラムです。
このプログラムは,「医療・福祉・健康分野」で,今後新たな人材需要が望まれ,特に女性の活躍する機会の多い産業医,産業保健師,安全・衛生管理者等の「リフレッシュとレベルアップ」に力点を置いています。3年間プログラムを実施した後、平成29年度にこれらの人材向けに「教材を含むコンピテンシー基盤型教育パッケージ」として提示することを目的としています。
なお,コンピテンシーとはハイレベルな行動特性・問題解決能力を指し,本プログラムではコンピテンシーの獲得を重視しています。


本プログラムを申請した理由は,昨今の急速な労働環境の変化の中で,労働者の健康が脅かされている現状を改善することができる「高度な人材養成」が求められていると考えるからです。
製造業が中心であった日本の産業構造が変化した結果,近年では筋労作よりも精神的な緊張を伴う業務に従事する者が増えています。就業の中身が変化したにもかかわらず,特に働き盛りである30代から40代の男性労働者の週60時間以上勤務する比率は20年前から減っておらず、過重労働による健康障害や,特に精神障害の労災認定申請者数は大幅に増加しています。
このような状況に対して厚生労働省は、労働者本人や企業のラインによるケアに加えて事業所内外の専門家による対処を求めています。しかしながら,現状では職場改善のための実践能力のある専門家は不足していると言わざるを得ません。不足要因の一つに、そうした能力を養成するシステムや機関が少ないことがあげられます。


本プログラムは,日本の職場の現状を変えていく実践能力のある高度人材を養成することを目的としています。「医療・福祉・健康分野」は女性の活躍できる分野です。特に産業医,産業保健師などの産業保健の専門職は女性の割合が高く,女性の活躍が期待されています。
しかし,女性産業医にとって出産・育児に伴うキャリア中断という大きな問題があります。
また,看護大学や看護の大学院で産業保健の専門職である産業保健師養成のコースが十分に提供されておらず,産業界のニーズはあるものの,実際に働いている産業保健師は決して多くない現状もあります。
また,保健師資格を有すると登録で資格を得られる衛生管理者についても,産業保健専門職としての十分な教育がなされているとはいえません。企業ニーズに合致する高度専門職人材としての産業保健師あるいは衛生管理者の養成が求められていると考えています。


本プログラムは,毎年10名程度を募集する小規模のものですが,現場の状況を分析する学問である疫学や生物統計学など、帝京大学公衆衛生大学院の学生とともに学ぶ科目も多く,大いに相互に刺激し合い,日本の産業保健分野の将来を担う人材を養成する場となることが期待できます。
皆様の積極的なご参加をお待ちしています。


本プログラムの特徴

文部科学省による厳正な審査を経て、その助成のもと、通常の大学院で学び直すことと比べ、リーズナブルな費用で、産業保健領域で求められる知識や能力について系統的にリフレッシュすることができるようになっています。産業保健の実務者として、業務で集まったデータ・情報を論理的に整理し、問題解決の提案をできるようになるために、学術的な基礎能力となる疫学・生物統計学および産業保健学に関する講義だけでなく、演習・実習・実地研究を通して実践力を養っていただきます。